本日は、障害児保育園で第2回目のPEARSコースを開催しています!
そんなわけで、まずは前回の記事の再掲です。
先週の土曜日にNPO法人フローレンスが運営している荻窪の障害児保育園ヘレンで、アメリカ心臓協会認定PEARS(ペアーズ)プロバイダーコースを開催してきました。
当会のウェブによく来られるかたは、御存知かと思いますが、PEARSでのメインの学習内容は心停止に至る前段階での気付き、子どもの状態が悪くなったときに、どのように気付き(評価)、どのような対応を行うかを学習するコースです。
今回は、プレホスピタル&障害児保育という状況の中で、いかに子どもの異変に気付き(気道・呼吸・循環の評価)、対応するかを現場に合わせて提供しました。
きっと、多くのAHAインストラクターさんは、あのPEARSをどうやって院外向けに開催するの?と思うでしょう。当会では、メディック・ファーストエイドでの市民向けの応急手当て、病院での小児救急、小児科最前線の医療現場経験、PEARS、PALSという病院内での小児2次救命処置と各講習会が点になる現状の中、全てをつなげてお伝えすることが可能です。そのため、医療現場、病院前での実施できる対応方法の限界や、病院内での医療者、病院外で働く人といった具合に、対象をわけて何を学習するかをお伝えすることができます。
さて、PEARSの前置きはこれくらいにしまして・・・
実際に障害児保育の現場で働く看護師さんは、例えば、お預かりする障害児がチアノーゼになったときに、どのように対応をすればいいのか、限られた器材の中、何をすればいいのかが、今回の講習会を企画する第一歩となりました。
病院外で対応できる方法は限られてきます。器材や医師がいる病院内では呼吸状態が悪ければ酸素投与と思いますが、病院外では簡単にできるものではありません。そして、各疾患別にベストな対応があると思いがちです。例えば、心疾患の子どもであれば、Aという対応、○○症候群ではBという対応、腎臓系の病気ならC・・と言った具合に・・・また、呼吸状態にしても「犬吠様の咳をしていたら、クループで、こう対応する。そもそも犬吠様の咳がよくわからない・・どんな咳なのか気になる・・・」
もちろん、上記の内容についての対応が確実にできればそれに越したことはありませんが、病院内と病院外ではできることが異なってきます。
では何をすることが大事なのか?
それは、PEARSのコアメッセージでもある体系的評価アプローチに沿って、意識・呼吸・循環をしっかりと評価することです。この評価は病院内でも病院外でも変わりはありません。ちょっと難しい言葉を使うと生理学的な安定化をまずしましょう。と言うことです。
何らかの疾患によるチアノーゼや病気の対応で悩むことはあるかと思いますが、人が生きるには酸素の灌流(酸素を吸う呼吸器系と酸素を運搬する循環器系)が大切であって、そこをしっかりと意識・呼吸・循環の項目で評価して対応する事ができれば、最悪の事態は回避できます。また、様々な疾患を持つ子どもであっても、この意識・呼吸・循環の評価は全員、同じです。
どのような子どもであってもまずは、意識・呼吸・循環の評価を行うことが大切なのです。
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